『自由と規律』
 
 記録的な真夏日の続いた夏休みを終え、いよいよ保育の充実期といわれる2学期が始まりました。日頃個別活動が中心の本園の子どもたちにとって、2学期は運動会・クリスマス会と団体行動を経験する貴重な機会でもあります。
 「毎日好きなお仕事をしている子どもたちが、集団で走ったりお遊戯したりできるのかしら?」
 これは、モンテッソーリ園に入れていらっしゃる保護者の方々がよく疑問に持たれる問題です。
  しかし、モンテッソーリは言っています。
 「自由と規律は二つのものだが、共にあるべきもので、それは一つの物に備わっている二つの面である。」
まるで相反しているかのような自由と規律が共にあるべきものであるという事実を、運動会等の集団行動が多くなる時に実感する事が多々あります。
  先日も、年長全員を一人の教師が1クラスに集めて活動をした後、全員各クラスに一度戻り外に出てくるよう指示を出した所、何の混乱もなくスムーズに再び外で集団活動が出来たと、担当教師が感心して職員に話してくれました。
  本園では、ひとり一人が内面の感受性に導かれ、自分の欲求にあったお仕事を自己選択し活動をしている訳ですが、人格形成という目的の為にしている毎日のお仕事には、全てルールがあります。なぜなら、教具は正しく使うことによってのみ発達という目的を得る事ができるからです。ですから、教師は子どもにルールを守ることを繰り返し教える必要があります。また教具の使い方だけではなく、棚から教具を持ってくる時は人にぶつからない・やりたいお仕事をお友達が使っていたら終るまで待つ等、お互いの自由を守る為のルールもお部屋の中にたくさんあります。
  モンテッソーリはこのようにも述べています。
  「教室内の規律が乱れているのは、自由に何らかの欠陥があるからに違いない。」 この言葉は本来自由であるはずの保育室が、規律を欠いた為に自由に欠陥を生じさせてしまうことを示唆しています。
  忍耐強い自己コントロールのできる人格は、自由な環境の中で行なわれた自己選択のお仕事を繰り返すことによって形成されていきます。このような人格に育っている子どもたちは、大きな集団の活動においても、上手に自分の感情をコントロールしながら喜びを持って活動に参加するまでに至ります。
  個別活動が中心の園生活が、集団活動の出来ない子どもを育てるというのは全く誤った考えであり、逆に集団活動が上手に出来ないという事は、個別活動がまだまだ不充分であるためと言えるでしょう。
  以上の点からも、行事の多い2学期は教師にとっては試金石となる学期であると言えます。子どもの姿を通して日々の保育を謙虚に見つめながら、子どもたちと一緒に教師も育っていきたいと考えています。
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 自由と規律はなかなか難しい問題ですが、モンテッソーリはわかりやすい譬えを述べています。
  「家庭では、子どもは父親の靴は履かせてもらえず、自分自身の靴をあてがわれます。これは決して抑圧ではありません。援助の手なのです。靴の目的が、それを履いてできるだけ上手に歩くことだからです。」
  『目的を考える』自由と規律をご家庭の中で考える時のヒントになりそうですね!
     
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