『社会への適応』
 

 今年の運動会は、日頃のお仕事は継続したまま、普段外で自由に遊んでいる時間を利用し無理のない状態で競技の練習を重ねました。カラフル玉入れなどは、当日で3回目、5色のクラスカラーの玉が空に舞い、活動している子どもだけではなく応援している側もわくわくするユニークな玉入となりました。毎日繰り返し練習に明け暮れた玉入れでしたら、運動会は楽しいというイメージはなくなってしまった事でしょう。
  閉会式の時、
  「運動会楽しかった!」
と、嬉しそうに答えた子どもたちの声は、日頃子どもの生命力に仕える保育の形が大きな集団の活動であっても変えてはならない事の大切さ、幼児期の子どもたちにとっての行事のあり方を再確認するものでした。
  競技中、玉を積極的に拾えない小さな子に玉を拾って渡してあげる年長さんの姿を垣間見た時、縦割り保育の中で育てられている思いやりの心を感じ取る事もできました。
  親は子育てをしていく中で様々な思いを子どもに望みます。その中でも社会に出た時に人々と協調し、活き活きと自分らしく生活できる能力を身につけた人間になって欲しい、つまり社会に適応できる人間になって欲しいと願っていますが、この社会性は一昼夜にして教え込んで育つものではありません。日々の生活の中で、人とかかわり些細な出来事の中から徐々に学び育てられていくものです。
  モンテッソーリのお仕事には、日常生活・感覚・数・言語の4領域があります。この中の日常生活と呼ばれるお仕事の内容は、4つに分ける事ができます。
 1.環境への配慮・・・・日常生活の中で行なわれている様々なお仕事を子どもサイズで用意している物(例---洗濯・ほうきで掃く・アイロンをかけるetc)
 2.自分自身への配慮・・身辺自立に関する事(例---上靴を履く・鼻をかむ・衣服の着脱etc)
 3.社会への適応・・・・礼儀作法(例---刃物(はさみ等)の受け渡し・挨拶(ごめんなさいと失礼します)etc)
 4.運動の調整と分析・・静粛の練習・線上歩き(グループで静けさを楽しむ・線の上を歩くetc)
 運動会を通してこの3の社会への適応を考えてみますと、日頃の保育の中で育てられているものに教師が気づかされた場面が多くありました。競技の準備のために与えられた自分の仕事を積極的にこなす年長さん、何処を歩いていくのかわからない時は年上の子の後に続こうとする年下の子たち、これは他人に学ぼうとする社会で生きていく為の最も基本となる人間の知恵です。
 できないことを手伝って頂いて、「ありがとう!」
 競技に参加して頂いた祖父母の方々に、「ありがとうございました。」と感謝の心
 かけっこで転んだ子に、「大丈夫?」
 リレーで抜かされた子に、「気にしないで!」
 人にぶつかって、「ごめんなさい!」
 運動会は社会の縮図を見ているようでした。大人の社会も互いに感謝と思いやりと許しの心で成り立っていたならば、どんなにか平和な社会を築く事が出来るでしょう。

     
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